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【建設業許可の取得は難しいの?】建設業許可を取るために知っておくべき5つの要件

建設業許可を取得するための「建設業許可の要件」についてわかりやすく説明します。

実際のところ、建設業許可を取得することは難しいのか?

この疑問は、おそらく、建設業許可の取得に取り組むすべての方が思うことだと思います。

結論から言うと、その答えは、「大きく5つある取得要件の内、主要な3つの要件をクリアできれば、取得は難しくない」と言えます。

建設業許可の取得要件は、大きく5つの要件があります。
しかしながら、その内2つは、会社経営する上で当然備えているべき要件となりますので、ほとんど意識する必要はありません。

つまり、ポイントとなるのは、それ以外の3つの要件に該当するかどうかです。

1.経営業務の管理責任者を置けるか?
2.専任技術者を置けるか?
3.一定のお金を持っているか?

以上の、3つの要件に該当するのであれば、ほぼ間違いなく建設業許可の取得が出来ます。

それでは、主要な3つの建設業許可の取得要件について確認していきましょう。

1.経営業務の管理責任者

建設業許可を取得するためには、一定の経営経験を有している人(この人のことを経営業務の管理責任者と言います)を経営幹部として置くこと必要です。

経営幹部とは、法人であれば取締役。個人であれば事業主本人であること。

この経営業務の管理責任者を置くことができるかどうかが1つ目のポイントになります。

建設業許可を取得するために、経営業務の管理責任者が必要になる理由は、建設業許可を持つ建設会社が簡単に経営に行き詰らないためです。

建設業に関わらず、起業して3年以内に7割倒産すると言われるほど、会社経営は難しいものです。

また、建設業は、他の業種とは異なり「長期間にわたってお客様に対し責任を負う業種」という特徴を持ちます。
建築物は、何十年にわたって使用されるものですから、当然ながら建設業者も長期にわたって責任を負うことが必要になります。

そのため、容易に会社が倒産しないように、建設業の経営というものについて一定の経験を持っている人が経営幹部として在職している会社に対してのみ許可を与えることになっています。

建設業「許可」という形で国がお墨付きを与えるのですから、最低限、お客様が安心して長期に利用できる建設業者である必要があるということです。

なお、経営業務の管理責任者は、次のいずれかに該当することが必要です。

(イ)許可を受けようとする建設業に関し、5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有していること。

(ロ)許可を受けようとする建設業以外の建設業に関し、7年以上経営業務の管理責任者としての経験を有していること。

(ハ)許可を受けようとする建設業に関し、経営業務管理責任者に準ずる地位にあって次のいずれかの経験を有していること。
(a)経営業務管の執行に関して、取締役会の決議を経て取締役会又は代表取締役から具体的な権限委譲を受け、かつ、その権限に基づき、執行役員等として5年以上建設業の経営業務を総合的に管理した経験
(b)7年以上経営業務を補佐した経験

上記(ハ)の準ずる地位に該当するか否かは、ケースごとに審査が行われることになりますので(イ)と(ロ)に該当する方がいない場合は、許可行政庁に事前相談をお勧めします。

参考:
ここでいう法人の役員とは、次の者をいいます。
・株式会社又は有限会社の取締役
・委員会設置会社の執行役
・持分会社の業務を執行する社員
・民法の規定により設立された社団法人、財団法人または協同組合、協業組合等の理事
※株式会社又は有限会社の監査役は含まれません。

2.専任技術者

専任技術者とは、建設業の種類(28業種)に応じた一定の経験もしくは資格を有している人のことを指します。

「一定の経験」とは、 「建設業の種類に応じた10年以上の経験」 もしくは「大学又は高等専門学校の(建設業の種類に応じた)指定学科を卒業した後3年又は5年以上の実務経験」のことを指します。

「資格」とは、 一級建築士や一級管工事施工管理技士などの資格のことを指します。
建設業の種類に応じて、認められる資格が指定されています。

簡単に言えば、実務10年以上の人か、有資格者の方を専任技術者として置くことが必要と言うことです。

上記の「経営業務の管理責任者」と専任技術者は兼務出来ますので、代表者様ご自身が実務10年以上の経験、もしくは資格を持っていれば、「経営業務の管理責任者」と「専任技術者」の両方の要件を満たすことも可能です。

尚、「一定の経験」は「建設業の種類に応じた経験」が必要となりますので、1人の方に複数の業種の専任技術者を兼任させること(例えば、2種類の業種で1人の専任技術者に兼任させたい場合は、それぞれ10年の計20年の経験が必要になる)は難しいと言えますが、
「資格」の場合は、一つの資格で複数の業種の専任技術者になれる場合があります。

たとえば、一級建築士の資格を持っている人が社員にいればその人を専任技術者と出来る建設業の種類は、「建築一式工事」「大工工事」「屋根工事」「タイル工事」「鋼構造物工事」「内装仕上工事」の6種類となります。

いずれにしても、上記で説明した「経営業務の管理責任者」と「一定の経験もしくは資格を持った人を専任技術者」がいないと建設業許可が取れないということです。

ただし、もし、社内に該当する方がいない場合であっても、取得をあきらめる必要はありません。
該当する方を社内に迎え入れればいいのです。

「【建設業許可を取得したい経営者必読】はじめての建設業許可~4つのポイント~」でも説明しましたが、建設業許可の取得業種は、今後、会社としてどのような工事をしていきたいのかで業種を決めるものです。

現在、専任技術者がいるかいないか、該当するかしないかで建設業許可を取得するのではなく、会社としてこれからどのような工事を請け負っていきたいかを考え、専任技術者がいないのであれば、該当する方を雇うなど柔軟に取り組んでいきましょう。

3.一定のお金 = 財産的基礎等

建設業許可を取るためには、一定のお金を持っているかどうかも基準となります。
このことを、法律的には「財産的基礎」と呼びます。

なぜ、一定のお金を持っているかどうかを確認されるかというと、建設業という特性上、資材の購入など、それなりの財産的基盤がないと、適性な経営が出来ないであろうというというところから来ています。

経営業務の管理責任者でも説明しましたが、建設業「許可」という形で国がお墨付きを与えるのですから、最低限、お客様が安心して長期に利用できる建設業者である必要があるのです。

そのための「財産的基礎」となります。

では、それはいくらなのか?
一般建設業の場合は、「500万円」です。
自己資本が500万円以上あることが確認できるかが要件となります。

具体的に言えば、口座に500万円以上の残高があるかどうか、もしくは、直前の決算の純資産合計の額が500万円以上であるかどうかが要件となります。

これから会社を設立する場合でいえば、資本金500万円以上で会社を設立できるかになります。

※法人化して建設業許可を取得する場合であれば、必ず資本金500万円以上で設立しましょう。
資本金500万円以上で設立した場合は、初回の決算期内の申請であれば、例え口座残高が0円だったとしても、財産的基礎の要件を満たします。
法人化して建設業許可を取得する場合であれば、500万円未満で設立するメリットはありません。

参考:建設業許可のその他の2要件について
建設業許可の主たる3つの要件を見てきましたが、残りの2つの要件については、当然備えていなければいけないものになりますので、通常の会社であれば必ず該当します。

4.誠実性

請負契約の締結やその履行に際して誠実であること。

請負契約の締結やその履行に際して不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかである場合は、建設業を営むことができません。

これは、許可の対象となる法人若しくは個人についてはもちろんのこと、建設業の営業取引において重要な地位にある役員等についても同様となります。

5.欠格要件

欠格要件に該当しないこと。

許可申請書またはその添付書類中に虚偽の記載があった場合や重要な事実に関する記載が欠けている場合、また、許可申請者やその役員若しくは令第3条に規定する使用人が欠格要件に1つで該当する場合、許可は行われません。

欠格要件については、下記URLを参考にしてください。
国土交通省の公式サイト(許可の要件)
http://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000082.html

まとめ

以上の主要な3つの要件をクリアできるのであれば、建設業許可の取得は難しくありません。
残り2つは当然条件のようなものですので、通常の会社様であれば特に問題になることはないはずです。

さらに言ってしまえば、主要な要件3つの内、財産的基礎の要件についても、あまり気にしなくても大丈夫です。

ぶっちゃけて言えば、現在口座残高が0円だとしても500万円を借り入れして残高証明を取った後、すぐ返金してしまえばいいのです。
(建設業許可の大原則「お客様が安心して長期に利用できる建設業者である」ことと矛盾してしまいますが・・・)

まずは、経営業務の管理責任者と専任技術者を置けるか、特に経営業務の管理責任者に該当する方がいるかどうかを考えましょう。

株式会社や有限会社の場合、経営業務の管理責任者は、常勤の取締役である必要があります。

専任技術者は、現時点で社内にいなくても、該当する人を従業員として迎え入れることで対応可能ですが、経営業務の管理責任者の場合、取締役として迎え入れる必要があるので、そうそう簡単には迎え入れることは出来ないかと思います。

そのため、建設業許可を取得する要件の最大のポイントは「経営業務の管理責任者」と言えます。
代表者様ご自身が「経営業務の管理責任者」となれるのであれば、非常にスムーズな建設業許可の取得が可能です。

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